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2011年4月12日火曜日

ウシトラ旅団 結団式

4月11日夜、ウシトラ旅団が正式結団いたしました。
あの大震災からちょうど1か月目のこの日です。
勝手に旅団長を名乗り発した召集に応え、十人も都内某所に集まっていただきました。
なつかしいお顔の数々、そして、お初にお目にかかる方々と、それぞれに趣味の世界や仕事でつながった友人たちが声をかけあって来てくれたのです。

そのほかにも、出席できないけれど「今後、何かお手伝いできることがあれば、教えてください」と伝えてきた看護士のA子さん。「自分が運転するから、バスやトラックをだせますよ」と知らせてきた大型自動車運転のプロのM君。「在宅のなさけな隊の一員となり、みなさんの後塵を拝します」のTさんなど、ありがたいメッセージが届きました。
おお、鬼に金棒! 猫に角! ウシの粘りにトラの戦闘力。みんな、ありがとう。

まず、初めて顔を合わせたメンバーも多かったので自己紹介。
それぞれ仕事の場や、住んでいるところから見えてくる大震災の「意味」を語ってくれました。
やはりみなさま、只者ではございません。
たとえば……

「近くの施設に、いわきあたりから300人の避難者が入っており、その小中学生を世話をしている。行政のやり方のまずさや、ボランティアの仕事のプランの立て方がなってないところがある。一日やるぞって思っていったら、テントひとつを30分かけて建てて、今日はこれで終わりって、ううう、こっちは空気入っているのによ。ボランティアっていいつつ、ずいぶん行政側にむだに統制されていて、それに対する批判の目が弱い」(S君)

「娘がこんどの地震、原発事故で情緒不安定になってしまった。液状化の影響で工場閉鎖、仕事もなくなったんだ。いまは立ち直ってボランティアに参加し始めた。千葉の海にしても温暖化の影響がひどいと以前から言っていた魚屋の人がいたのだけど、思えば東北地方からずらっと原発が並んでいるんだよ。アブナイ温排水がずっとあったんじゃないか」(OK君)

「沖縄に住んでいたときに、すぐ近くに核施設や炭素菌の兵器が置かれているところがあって、核や地震の問題に無関心でいられない。日本(ヤマト)は、こんどの原発事故で、初めて沖縄と同じ位置にたったのじゃないかと思う」(ARYさん)

言葉が生きており、どれも考えさせられるものでした。
それらの提起は、ウシトラ旅団の活動や議論の中で、また深まっていくと思います。
少しずつでも各隊員が明らかにしていくことになります。

旅団長からは、この召集メッセージに至る経緯の説明と、ウシトラ旅団結成に向けての提起を行いました。
前報、なさけな隊のいわき市行きで報告したとおり、行動は釣りの仲間へ水を運んだところからはじまったのですが、第2便のいわき行きには前段がありました。
個人的な用事で仙台入りしていたO君が現地で被災し、それから10日あまり、その地にとどまって救援活動に従事していたのです。
その報告を受けた旅団長が、仙台といわき市への物資入れに動き、「どうせやるなら、みんなで力を合わせてやろう!」と、叫んでしまったのでした。

報告は、なさけな隊のいわき市の様子と課題。そして、O君による仙台から激甚被害の石巻などの状況を体験談として語ってもらいました。
あれこれ議論して、ウシトラ旅団は、近々に手始めにいわき市へバスを仕立てて向かうことにいたしました。
「まずは来てみて欲しい。不謹慎と思えるかもしれないが、見物ツァーと言ってもいい。このありさまを自分の目で見て、ここの匂いをかいでおけば、その後に考えることが違ってくるはずだ」(仙台の労働組合員)という声にも応える道だ、ということになりました。

会議をやっている最中にも、いわき市を中心とする強い地震が発生し、東京の会議の場もぐらぐらと揺れました。
「状況は、刻々変わる。こうした一発の地震で水道や電気が止まり、振り出しに戻されると感じるかもしれない。もう水は送り込まなくてもいいと思っていても、また、その物資をまた送らなければならないといった課題が出てくるように。それでも、俺たちは、めげずに続けなければならない。やるべ!」(旅団長)

「たとえば連合(労働組合の最大組織)は、メーデー自粛を言っている。被災者支援を掲げてメーデーに取り組むべきなのに『まったくやる気がないよ』という意思表示だ。これが、これまで日本の体制を作ってきた側の「再建」「復興」の展望と重なっている。私たちは、そうではなくて、現地の要望に真剣に応えながら、あたらしいまともな社会を望む活動をやろう」(なさけな隊ミツトシ隊員)。

「首切り問題は、神戸の震災のときに、その問題が出て、逆にそれを覆して行った過程があったと聞いてます。そんな経験を参考にしながら、東北の労働者たちは進もうとしています。これは全国的な課題にもなってくる。一緒に進まなくちゃ」(O君)

んだんだ、その通りだ。
だから、俺たちは、現地の本当の再生を担うべき人々を意識的に応援していく。
労組も、ただこれまでの運動とは違う次元の運動に進まなければならないと思います。
例えば行政側と協力して、わが愛するお歌「♪たのしいたのしい歌の町」的な、まっとうな人間らしい暮らしを未来に描き出す地域再生の根っこを築くことが求められるでしょう。
そのためにこそ、一方で厳しい喧嘩もしていかなければならないということです。
むずかしい課題ですが、これほどやりがいのあることもありますまい。
ウシトラ旅団はその道を一緒に進みたいと思います。

4月末からゴールデン・ウィークあたりに、ウシトラ旅団は、最大部隊で東北被災地へ向かうことを決定いたしました。ただいま、作戦策定中です。

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